« 列車はスピード違反では脱線しない | Main | 危ないですから黄線よりさがって下さい »

NHKは何故尼崎の脱線事故を運転手のミスにしたがるのか?

4月26日(火)曇り驟雨
 NHKが伊丹駅でのオーバーランの距離を訂正した事を繰返し報道している。それが今回の脱線とどんな因果関係が有ると言うのか。1分半の遅れを取り戻すために速度を上げた事は変えていない。それで十分な筈。解説の大学教授も途中で自説を曲げないで欲しい。

 NHKは事故発生当初から運転手の速度超過が原因と決め付けて、全ての情報をその論証のために使っている。しかも、直接的には関係の無いものまで引きずり出して。例えば、伊丹駅でのオーバーランの距離を8㍍から40㍍にJR側が訂正した事を再三再四報道している。恰も「運転手は悪者だ」との印象を視聴者に植え付けようと懸命にもがいているかの如くに。しかしながら、それが今回の脱線とどんな因果関係が有ると言うのか。尼崎駅までに1分半の遅れを取り戻そうと通常より速度を上げていたことはJR側も認めているし、その事は変えていない。速度超過の遠因としてはそれで十分ではないか。
 もう一つ誤った報道を指摘するなら、制限速度を30㌔もオーバーしてカーブに入ったと報道している事だ。5両目に記録されていた100㌔㍍と言う速度は、JRの技術者の説明では、非常ブレーキが掛けられた5秒前の列車の速度だ。しかもカーブに入る前の位置で非常ブレーキの跡が見つかっている。カーブまでは直線で制限速度は120㌔㍍だ。列車は急速に減速しながらカーブに入っており、脱線時はほぼ通常の速度まで落ちていたとする方が自然だ。それよりも、何故運転手はカーブに入る前に非常ブレーキを掛けたのか?カーブに入る前に極端に減速する必要があったためと主張するが、非常ブレーキを使って減速するのは不自然だ。車輪が完全にロックされた状態でカーブを曲がれば脱線する可能性が高まることは常識で、プロの運転手なら、むしろ速い速度でカーブを曲がり切る方を選択するだろう。それよりは、その時列車を緊急に停車させる必要が生じたと考える方が自然ではないか。一般論からすれば非常ブレーキは緊急に列車を停止させるために設置されているのだから。例えば、レール上に異物を発見し、緊急に停止させる必要が生じた場合のように。
 初めて現場の航空写真を見た時、今回の事故の異常さに驚いた。接線方向に真っ直ぐに列車が突っ込んでいるのだ。恰も弾丸が発射された如くに。しかも、2両目の先頭部は進行方向を向いていた。通常は連結器がある関係で列車は先頭部を交互にしながら折り重なる。即ち、普通は2両目は先頭部を走行方向とは逆にして止まる。では何故今回は走行方向を向いたのか。つまり2両目の車両は1両目に影響されることなく走れた。そのためには、1、2両間の連結器が脱線の極めて早い段階で切断されたと考えるべきだろう。しかも、速度超過など通常の脱線なら、車両の進む方向は曲線に沿って曲げられ、1両目が現在の2両目の位置に来る筈だ。なのに何故1両目だけが単独行動を採ったのだろうか。しかも曲線の影響を殆ど受けずに接線方向に真っ直ぐ飛び出した。すなわち、急に車体全体が浮き上がり、一気にレールから外れ、2両目との連結器を切断して、何の影響も受けずに真っ直ぐに自走したと考えざるを得ない。だとすれば、線路上の異物によって跳ね上がったとしか考えられない。勿論、数分前に特急列車が現場を通過しており、その僅かな間に誰かが置き石をすることは考えにくい。ただ、高速で走行する列車がバラスを跳ね上げる事は以前新幹線で問題になり、路面を接着剤で覆った経緯がある。別にJR西日本の肩を持つ気はないが、今回の事故は、直接的には誰の責任も問えない、不可抗力の事故とするのが自然ではないか。起こり得る全ての危険性を想定して、予め排除しておく事は不可能なのだから。

|

« 列車はスピード違反では脱線しない | Main | 危ないですから黄線よりさがって下さい »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference NHKは何故尼崎の脱線事故を運転手のミスにしたがるのか?:

» 「マスコミ批評」のカテゴリーを作りましょう。 [雑談日記 (徒然なるままに、、。)]
 インターネットで個人が情報発信できるようになり、またブログが新たな情報発信の媒 [Read More]

Tracked on May 03, 2005 09:34 AM

« 列車はスピード違反では脱線しない | Main | 危ないですから黄線よりさがって下さい »